バランス型ファンドのメリットを上手に生かして資産運用しよう

 異なるバランス型ファンドは、異なる資産配分比率や異なるインデックスを採用していることがあります。また為替ヘッジの方針が異なる場合もあり、運用成績が同一にはなることはありません。特に株式投資比率と外国への投資比率、またその内に占める新興国投資比率などが運用成績を大きく変えることがあります。

 複数のバランス型ファンドを持つメリットがあるとしたら、「一つだけを持っていて、運用成績がさえないときのガッカリ感を減らす」ことがあるかもしれません。

 2本以上持っていれば、「こっちは負けているけど、こっちは勝っているから」と留飲を下げることができます(異なるポートフォリオを持つ2つのファンドで勝ち負けを競うことはあまり意味がありませんし、2本あればどちらかは勝つわけだが)。

 ただし、バランス型ファンドの優劣を評価するのは簡単ではありません。資産配分が異なれば運用成績が変わりますが、どちらの資産配分が適当であったかを評価するのは一般の個人には難しいでしょう。

 バランス型ファンドのメリットである、「難しく考えなくても分散投資ができる」を生かすのであれば、あまり短期的な優劣は気にせず、中長期的に積立投資をしてみたいものです(ただし、運用コストの低下は乗り換え理由としてもいい)。

 一般個人が適度にリスクを取りつつ長期的な資産形成の選択肢として投資を組み入れるのであれば、バランス型ファンドは現実的な選択肢です。世界中の経済成長に投資を続けていたら、10~20年後には元本を大きく上回っていたし、ほとんどメンテナンスフリーだったことを考えれば上々だと考えて、つき合えると理想的でしょう。