パターンB:違うバランス型ファンドを複数買う人

 もうひとつのパターンは、いろんなバランス型ファンドをたくさん買う、というものです。

 もう一つのパターンは、いろんなバランス型ファンドをたくさん買う、というものです。

 バランス型ファンドといっても詳細はずいぶん違います。例えば運用方針に着目してみると、下記のようなポイントで違いが見られます。

・各アセットクラスの投資方針がインデックス運用かそれ以外か

・外国株式、外国債券の投資に新興国が含まれるか先進国のみか

・不動産投資が含まれるか含まれないか

・アセットクラスの保有比率が均等かそうでないか

・運用管理費用(信託報酬)はどの程度か

 設定に違いがあるということは選択肢が多様化しているということですから、それ自体は悪いことではありません。しかし、私たちがどうチョイスすべきかについては、検討する必要があります。

 基本的に、自分の投資スタンスが整理できれば複数持つ理由は説明がつくでしょう。例えば、「投資資金の多くはREIT(リート:不動産投資信託)を含まないバランス型ファンドで運用したいが、少しだけREITも含むバランス型ファンドを買いたい」のような組み合わせはあるかもしれません。

 ただ、それならREITを含まないバランス型ファンドで基本的に運用しつつ、REITのみで運用をするファンドを少し買えば十分と言えます。個人の投資資金額を考えると、複数のバランス型ファンドを持つことで改善される投資効率はあまり大きくならないでしょう。

 それよりも、管理のしやすさ、分かりやすさを重視するほうがいいように思います。そもそもバランス型ファンドが一つで複数の投資対象に運用できるわけで、いくつも持つと管理の負担が増します。

 ちなみに私自身は、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)で何本もバランス型ファンドを購入しています。ただ、これは職業上の好奇心に近いものがあって、運用の効率化を図っているとは特に考えていません。ただ、複数のバランス型ファンドを持つことで「いろいろ見比べるおもしろさ」があり、また投資に関する興味関心を高める効果もあります。