東証マザーズ銘柄で「本年度の時価総額増加トップ銘柄」は? 

 世界経済や米国政治を巡る不透明感が日経平均やTOPIXの重石となるリスクがある一方、東証マザーズには海外(外部)環境に左右されにくい内需型企業、Eコマース(電子商取引)、法人向け・個人向けITサービスなどデジタル化加速から恩恵を受けやすい企業が多いことが特徴です。

 図表4は、東証マザーズ指数を構成する銘柄のうち「本年度に時価総額が増加した上位15銘柄(増加額の降順)」を一覧したものです。

 本年度、東証マザーズ指数の時価総額は約6.4兆円増加しました。同期間にメルカリ、BASE、フリー、弁護士ドットコム、ラクスの時価総額は2,000億円以上増えてきました。

 新しいビジネスモデルやデジタル化で日本社会に高い付加価値を提供。日本経済の構造改革に寄与することで、投資家が収益の成長期待に確信度を高めている銘柄が多く含まれています。

<図表4>東証マザーズでも「デジタルシフト」が鮮明に

*上記は東証マザーズ指数構成銘柄を母体に「本年度の時価総額増加額(降順)」を示した一覧です。
*ウエイト=東証マザーズ指数の時価総額に対する個別銘柄の時価総額の比率
(出所)Bloombergをもとに楽天証券経済研究所作成(2020年10月14日時点)

 世界市場は、新型コロナウイルスの感染動向、米国、中国、欧州の政治経済を巡る不確実性が波乱要因となる可能性があります。投資環境の変化次第で株価が短期的に乱高下する場面もありそうです。

 こうしたなか、時価総額を増やしている企業群を「市場内で存在感を高めている銘柄群」として注目したいと思います。

▼著者おすすめのバックナンバー
2020年10月9日:バイデン相場がスタート?クリーン・エネルギー関連銘柄の株価上昇力
2020年10月2日:大統領選挙はカオス?最悪シナリオの可能性も
2020年9月25日:「ドル建て日経平均」がバブル後高値を更新。外国人投資家が注目?