コロナ後を見据えた投資戦略

 小売業の成長ドライバーが、コロナ前、ウィズコロナ、コロナ後でどう変わっていくか、私の考えを示したのが、以下です。

小売業の成長ドライバー:コロナ前・ウィズコロナ・コロナ後の評価

出所:筆者の見解、〇は好調、×は不振、▲は好不調が分かれる状態を示す

 コロナ禍で、海外・インバウンドは大きなダメージを受けています。一方、ネットは好調。製造小売業・カテゴリーキラーは、二極化しています。国内では、先に述べたように二極化が起こっています。

 それでは、コロナ後はどうなるでしょう。海外・製造小売業・ネットの成長が復活し、再び、小売業は成長産業に戻ると思っています。

 ただし、国内カテゴリーキラーの成長はだんだん止まってくる可能性があります。国内だけでは、だんだん過当競争になってくるからです。

 インバウンドは、簡単には復活しないでしょう。コロナが収束するにつれ、日本人の国内旅行は回復すると考えますが、海外旅行は、インバウンド(海外→国内)・アウトバウンド(国内→海外)とも回復が遅れると思います。

 インバウンド消費の質の変化も、小売業に逆風となります。初めて日本に来る主にアジアの観光客は、たくさん買い物をしますが、リピーターになるにつれ、モノは買わなくなります。モノよりも、コト消費(日本での体験・サービス消費)に重点が移っていくと考えられます。

 結論ですが、コロナ後を見据えた小売業の銘柄選択として、海外・製造業小売業・ネット販売が成長のキーワードとなる状況は変わらないと考えます。

 国内では、高額品を売る小売業(百貨店など)は苦戦が続き、生活密着産業が、相対的に健闘する状況が続くと考えます。

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