今週の予想

2万3,300円水準を下値に、ゆっくりと上値を切り上げる展開へ

 今週は、3週間後の米大統領選を前に、両陣営の勝利を想定したプラス面だけを取り上げて、株価の材料にするような動きとなりそうです。

 一時「バイデン氏勝利」の場合、富裕層の増税を明言していることから、株式市場にとってはマイナスと見られていました。しかし、この増税によって大規模なインフラ投資を行うと発言しており、長期的に見ると米国経済の活性化につながるという投資家の見方が台頭しています。そのため、大統領選はどちらが勝っても、株式市場にはプラスに作用する可能性が高くなっています。

 目先の材料は、追加の経済対策であり、民主党と共和党の交渉がなかなか進まないことで、トランプ米大統領は交渉打ち切りをいったん示唆しましたが、その後、航空業界、中小企業向けの経済支援を表明。先週末には共和党と民主党が提案している規模よりもさらに大規模な包括的経済政策を示してきました。これは選挙を前にしたバナナの叩き売りのような政治ショーであり、トランプ氏の焦りが透けて見えます。これに投資家が期待を織り込んでいる可能性があり、政局次第では株式が軟化する場合も考えられます。どちらにしても大統領選までは、追加の経済対策にサポートされて、株価は上昇する可能性があり、NYダウに連動する日経平均も上昇することになりそうです。