積立投資の仕組みが確立しているプラチナは、より個人投資家の長期投資になじむ

 大豆は、米中貿易摩擦における“政争の具”となり米国国内のモノ余り感から上値が重く、プラチナは、2015年9月に発覚したフォルクスワーゲン問題(同社が排ガスに含まれる有害物質の量を計測するテストを、違法な装置を使って潜り抜けていた問題)が発覚して以降、上値が重い、と言われることがあります。

 確かに、そのような見方はあると思います。しかし、実際の値動きを見れば、プラチナも大豆も、比較的、底堅く推移しています。

 プラチナも大豆も、今のところ、パラジウムや銀、金などのように大きく上昇はしていませんが、小麦、とうもろこし、原油のように一時的であったにせよ、リーマンショック直後の安値を目立って下回ったこともありません。

 “相対評価”で割安感があり、かつ“絶対評価”で底堅さがあるのが、プラチナと大豆なのだと、筆者は考えています。

 また、先述のとおり、2003年ごろから断続的に起きているさまざまな変化の影響で、コモディティ市場で起こった“長期的な視点における安値水準の切り上げ”が、すぐに逆戻りする(サポートラインが切り下がる)ことは、ないと筆者はみています。

 その意味で、現在のプラチナと大豆は、比較的、長期投資になじむ環境にあると考えられます。特に“積立投資”ができる仕組みが確立しているプラチナは、個人的には、面白いと感じます。すぐには実を結ばないかもしれませんが、これらの銘柄の価格の動向を、長期的な視点に立って見守っていきたいと思います。

 今回は、シンプルに価格動向にのみ着目し、コモディティにおけるバリュー銘柄を、筆者なりに考えてみました。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品

純金積立

金(プラチナ、銀もあり)

国内ETF/ETN

1326 SPDRゴールド・シェア
1328 金価格連動型上場投資信託
1540 純金上場信託(現物国内保管型)
2036 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ダブル・ブルETN
2037 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ベアETN

海外ETF

GLDM SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
IAU iシェアーズ・ゴールド・トラスト
GDX ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF

投資信託

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)
三菱UFJ純金ファンド

外国株

ABX Barrick Gold:バリック・ゴールド
AU AngloGold:アングロゴールド・アシャンティ
AEM Agnico Eagle Mines:アグニコ・イーグル・マインズ
FNV フランコ・ネバダ
GFI Gold Fields:ゴールド・フィールズ

国内商品先物

金・金ミニ・金スポット・白金・白金ミニ・白金スポット・銀・パラジウム

海外商品先物

金、ミニ金、マイクロ金(銀、ミニ銀もあり)

[参考]穀物関連の具体的な投資商品

国内株

丸紅 8002

海外ETF

iPath シリーズB ブルームバーグ穀物サブ指数
トータルリターンETN
JJG

外国株

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドADM

ブンゲBG

商品先物

国内 トウモロコシ 大豆

海外 トウモロコシ 大豆 小麦 大豆粕 大豆油 もみ米