[相対評価] 穀物、プラチナ、原油は、貴金属、銅に比べて“割安”

 まずは“相対評価”についてみていきます。相対評価は、他の銘柄の値動きと比較して得られる評価です。以下のグラフは、合計15のコモディティ銘柄の、リーマンショック直後(2008年12月の終値)と現在(2020年10月9日の終値)の騰落率を示しています。

図:リーマンショック直後(2008年12月の終値)と現在(2020年10月9日の終値)の価格の騰落率 ※先物銘柄は中心限月を参照

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 コモディティ銘柄の値動きを考える上で、“リーマンショック後の安値”は、非常に大きい意味を持っています。同ショック翌年の2009年から現在にいたるまで、この安値が、長期的に価格の下支え(サポート)をしている銘柄が複数あるためです。

 同安値がサポートとなり、今でも底堅く推移している銘柄がある一方、同安値を大きく上回る水準で推移している銘柄があります。この点が“相対評価”を行うポイントです。

 足元、同安値を大きく上回る水準にある銘柄は、そうでない銘柄に比べて“割高”と言えるでしょう。逆に、そうでない銘柄、つまり、足元の価格が同安値水準である銘柄は、同安値を大きく上回る水準にある銘柄に比べて“割安”と言えるでしょう。

 具体的には、足元、同安値のおよそ2.2倍から13倍強で推移するパラジウムや銀、銅、金は、足元、同安値に近い大豆、コーヒー、小麦、とうもろこし、プラチナ、原油に比べて“割高”、逆に、大豆、コーヒー、小麦、とうもろこし、プラチナ、原油は、パラジウムや銀、銅、金に比べて“割安”と言えるでしょう。

 次は、“相対評価”で割安とした6銘柄を、“絶対評価”で判断します。