[絶対評価] プラチナと大豆は、長期的な安値水準にあり、比較的“底堅い”

 リーマンショック後の安値を基準に、複数銘柄の足元の価格について考えた時、大豆、コーヒー、小麦、とうもろこし、プラチナ、原油は、パラジウムや銀、銅、金などに比べて“割安”と述べました。

 ここからは、他の銘柄と比較しない、その銘柄の値動きだけでなされる評価である“絶対評価”で考えます。評価の対象は“相対評価”で割安とした、大豆、コーヒー、小麦、とうもろこし、プラチナ、原油です。以下は、これらの具体的な価格推移です(2銘柄ずつ掲載しています)。

図:大豆とコーヒー(中心限月の月足終値。2008年12月を100として指数化)

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 大豆とコーヒーについて、リーマンショック以降、同ショック直後の安値が、長期的なサポートラインとして機能しています。特に大豆については、ショックの前後に大きな急騰も急落もなく、かつ同ショック前後で明確に、安値水準が切り上がったことがわかります。

図:とうもろこしと小麦(中心限月の月足終値。2008年12月を100として指数化)

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 とうもろこしと小麦について、リーマンショック後、同ショック直後の安値を、やや下回る場面が見られました。直近では、回復基調にあります。

図:プラチナと原油(中心限月の月足終値。2008年12月を100として指数化)

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 プラチナと原油について、特にプラチナについて、大豆と同様、同ショック前後で切り上がった安値水準が引き続き価格をサポートしています。

 原油は “逆オイルショック”(2014年半ばから2016年末にかけて起きた価格の急落・低迷)や、“新型コロナショック”(2020年春)に見舞われて、短期的にリーマンショック直後の安値を下回る場面がありました。

 以上6銘柄は“相対評価”で割安と判断した銘柄でした。これらの銘柄を “絶対評価”で評価した際、見えてきたのは、それぞれの“底堅さの度合い”だったと言えます。この点で言えば、同ショック後、同安値を下回る動きが比較的目立たなかった“プラチナと大豆”が、底堅さの度合いが高い銘柄と、判断できると思います。

 プラチナと大豆は、他の銘柄に比べて(相対評価より)割安感があり、(絶対評価より)比較的底堅さがある、と言えそうです。