日経平均は上昇と失速を繰り返し、下値切り下げ

「月またぎ」で10月相場入りとなった先週の国内株市場ですが、週末10月2日(金)の日経平均株価終値は2万3,029円となりました。前週末終値(2万3,204円)比では175円安、週足ベースでは3週連続の下落です。

 一応、2万3,000円台を維持して終えることができたわけですが、株式市場を取り巻く状況がいわゆる「オクトーバー・サプライズ」によって色々と慌ただしくなり、先行きの相場の視界に霧が立ち込めつつあるような印象を与えた一週間でもありました。

 これから今後の相場の行方について考えていきたいと思いますが、まずはいつもの通り、足元の状況から確認します。

■(図1)日経平均(日足)とMACD(2020年10月2日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて先週の日経平均の値動きを振り返ってみますと、週初の9月28日(月)に一段高となり、2万3,500円に乗せるスタートとなりました。翌29日(火)の取引も同様の展開で、取引時間中には直近高値(9月14日の2万3,582円)を超え、2万3,622円まで値を伸ばしました。

 ところが、週末に向けては大きく失速していくことになります。30日(水)は、個人攻撃の「ディスり合い」となった米大統領選候補の討論会を受けて353円安、続く10月1日(木)は、東証のシステムトラブルで取引が終日停止となり、そして、週末の2日(金)では、新型コロナウイルスの陽性反応が出たというトランプ大統領からの1本のツイッターによって下げ幅が拡大し、一時2万3,000円台を下回る場面もありました。

 結果的に、先週も「勢いよく上昇し、直近高値を更新しては失速」という値動きのパターンを繰り返したことになりますが、先週の安値(2万2,951円)に注目すると、直近安値(9月24日の2万3,039円)を下回っており、下値が切り下がっています。

 下段のMACDを見ても、シグナルを上抜けできずに下向きが続いており、買いの勢いが弱まっているような格好です。このままMACDが0円ラインを下抜けてしまうと、下げが加速する可能性が出てきます。

 今週は国内消費関連企業の決算が相次ぐこともあり、個別物色が中心となりそうな中、日経平均は75日移動平均線をサポートとして意識し、2万3,000円台の維持と25日移動平均線まで戻せるかが焦点になります。