さらに、このギャン・アングルとは別に、もうひとつのギャン・アングルを描いていきます。

■(図5)日経平均(日足)のギャン・アングル その2(2020年10月2日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 もうひとつのギャン・アングルは、昨年の8月26日を起点に描いたものです。要は、コロナ・ショックで日経平均が下落する前のトレンドの状況も併せて見てみようというのがねらいです。

 昨年の8月26日に2万300円台で底を打った日経平均は、12月の2万4,000円台乗せまでの上昇基調をたどりました。その後は、2万4,000円台乗せの定着を何度か試している最中にコロナ・ショックに見舞われ、トレンドが崩れてしまいました。実際に、日経平均の下げが加速したのは、もうひとつのギャン・アングルにおける8×1ラインを下抜けた箇所であることがわかります。

 また、この8×1ラインは、コロナ・ショック後の最初の戻り高値とぶつかっています。つまり、この8×1ラインを本格的に超えて行ければ、コロナ禍を乗り越えた世界に足を踏み入れたと考えることができます。少なくとも、今後の日経平均が8×1ラインを目指しているあいだは、相場に対する見方は強気の判断で良いと思われます。

 反対に、最初のギャン・アングルの3×1ラインの下抜けが明確になってくると、相場の基調が下向きに変化し、調整の深押しや長期化が想定されることになります。

 9月からの日経平均はレンジ相場が続きましたが、もうしばらくすると大きく動き出す可能性が結構高いと考えることができそうです。