NASDAQの動きと注意点

 また、NASDAQもNYダウと同様に、75日移動平均線の攻防となっています。

■(図2)米NASDAQ(日足)とMACD(2020年9月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 米国株下落の引き金を引いたのは、欧州各地で新型コロナウイルスの感染者が再び増加傾向となり、都市封鎖といった経済活動制限の可能性が高まってきたことをはじめ、複数の大手金融機関が巨額のマネーロンダリングに利用されていた疑いが報じられたことや、米追加経済対策の成立が遅れることを警戒する動き、そして米中対立の先行き不透明感などが重なった格好です。

 冷静に見れば、マネーロンダリング疑惑報道以外の材料は特に目新しいものはありません。もちろん、マネーロンダリング疑惑については一大スキャンダルとなる展開は否定できないものの、2016年に公開された、いわゆる「パナマ文書」の時のように、相場の下げ材料としての賞味期限が短くなることも考えられ、今のところは株価を動かす材料になっても、中長期的に株価を決める材料になっているとは言えない状況です。

 そのため、連休中の米国株安が比較的早期に落ち着いてくる可能性は高いと思われますが、前回のレポートでも懸念していた、NASDAQ(週足)のMACDがシグナルを下抜けしそうな状況は続いているため、注意が必要です。

■(図3)米NASDAQの平均足(週足)とMACD(2020年9月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成