サブスクリプションサービスのエヌシーノに注目!

 7月13日に上場したエヌシーノ(NCNO)にも注目しています。同社は、口座開設、融資組成、預金口座の管理といった銀行業務のプラットフォームを、クラウドを通じてサブスクリプションモデルで提供しています。

 こうしたサブスクリプションモデルの企業をみる上でポイントになるのは、

  1. トップラインの成長性
  2. 顧客の保持力
  3. 事業の効率性

 ですが、エヌシーノはこれらをクリアできているように見えます。

1.トップラインの成長性

 まず収益ですが、サブスクリプション事業を中心に大きく成長しており、2020年度の同事業の収益は1億ドルを超え、増収率は60.2%に達しました。会社全体の収益は約1億3,800万ドル、51%の増収となっています。

 売上高の比率では、サブスクリプション事業がすでに全体の74.7%まで拡大しています。潜在市場規模について、会社側は100億ドルと想定しており、今後も大きな伸び代のある領域で事業を展開しています。

エヌシーノの収益推移(単位:千ドル)

出所:会社資料より楽天証券作成
注:各年度末は1月末

 サブスクリプション契約をすると、銀行側はクラウドベースで口座開設、融資組成、預金口座の管理など、銀行の業務が行えるようになります。伝統的な銀行では、こうした業務が昔ながらの古いシステムや、紙を大量に使ったアナログな方法で管理されています。

 現在、銀行はその非効率さを改革しようとしており、エヌシーノはその需要をつかんでいます。同社の顧客にはすでに、バンク・オブ・アメリカ、バークレイズ、 サンタンデール銀行、 トロント・ドミニオン銀行など、大手の銀行が名を連ねています。