燃料電池はニコラが本命?

 一方、足元で株価が再び急騰しているのが電気トラック関連のニコラ(NKLA)です。ニコラは、燃料電池で走るトラックの開発を目指すスタートアップで、2020年6月に上場しています。トラック自体の製造というよりも、どちらかというと、それに搭載する、コストパフォーマンスのよい燃料電池の開発に注力しています。

 株価は、テスラのブームに乗り急上昇した後、大きく落ち込みましたが、足元では回復しはじめています。その理由は、自動車大手メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)が、ニコラの株式20億ドル相当を取得し、ニコラが開発中の燃料電池とピックアップトラックの製造を支援することが公表されたことです。

 燃料電池は、電気自動車と比べて走行距離や加速スピードに強みがあると言われ、製造コストが下がれば需要が一層広がる可能性を秘めています。その製造コストの低減に着手しているのが、ニコラです。

 ニコラは、水素の生産コストを現在の4分の1にするという目標をかかげているようですが、GMの支援を受けることによって実現の可能性が高まるでしょう。また、この流れはGM自体の株価への期待にもつながる可能性があります。各社と協力しテスラに対抗できる体制を築けるのかどうか、今後のGMの取り組みに一層の注目が集まりそうです。