ファンダメンタルズ重視になる

 資金が大きくなってくると、株式投資での1銘柄あたりの投資金額も大きくなり、自分自身の売買が株価に影響を与えるケースもあります。流動性があまり高くない銘柄であれば、自分が保有している銘柄を一度に売却しようとすると、大きく値が崩れてしまう可能性も生じます。

 投資資金が少ない時のように、自分の持ち株を一度に売ることや、逆に欲しい数量をまとめて一度に買うことができなくなってくるのです。

 そこで、ファンダメンタルズ分析を重視し、かつ長期投資を志向するようになります。大量の資金を扱うため、一度に買えず、一度に売れない投資信託のファンドマネージャーをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

 彼らは、投資する銘柄を決めたら何日もかけて買いますし、売るときも一時ではなく少しずつ何日もかけて売っていきます。一度に売買しようとしてもストップ高やストップ安になったりして、事実上できないからです。

 投資資金がそれほど多くない個人投資家であれば、とりあえず買ってみてダメならすぐ売ればいいや、という対応ができますが、それができなくなってくるのです。

 そのため、今までより慎重に銘柄分析をして、上昇の可能性がより高く、下落の可能性がより低い銘柄を吟味して投資する必要性が高まってくるのです。

 投資資金が大きくなると、プロと同じようなファンダメンタルズ重視の投資手法になっていく人が多いのも1つの特徴です。

 冒頭でも申し上げましたが、上記は筆者としての考え方であって、億り人になった後も積極果敢に投資に取り組み、10億円、100億円を目指すような方もたくさんいます。投資手法をいつまでも変えずに攻め続けるような方もいます。

 1億円を1つのゴールにするのか、さらに上を目指すのかによっても異なってきますが、自分自身の株式投資での目標金額を達成したならば、その後は無理をした勝負を避け、保守的な運用に徐々にシフトしていく方が多いのではないかと感じます。