外国人投資家は、いつ買い越しに転じるか?

 外国人投資家から見て、日本株は「世界景気敏感株」です。製造業・輸出産業の比率が高いからです。中国および米国の景気が回復し、世界景気が回復に向かう見通しが出れば、外国人は日本株の保有も増やした方が良いと思うでしょう。今後の、中国・米国の景気指標次第ということになります。

 2020年4-6月まで、世界景気は戦後最悪の落ち込みでした。ところが、7月以降は、少しずつ回復に向かっています。4-6月が、景気の「最悪期」だった可能性もあります。外国人投資家が、日経平均先物を6月以降、買い越しているのは、世界景気が最悪期を過ぎつつあるとの見方があることに、反応しているものと考えられます。

 今後、鈍いながらも、世界景気の回復が続くか、あるいはコロナ感染の二次拡大で、世界経済がもう一度落ち込むか、注目されます。世界景気次第で、外国人が日本株を買い越しに転じるか否かが決まると思います。

 私は、来年にはコロナ克服が見えてくることから、世界景気は回復に向かうと予想しています。ただし、その前に、まだ感染拡大の不安で、株価が乱高下する可能性は残っています。リスクを適切に管理しつつ、少しずつ時間分散しながら、日本株を買い増ししていくことが、中長期の資産形成に寄与すると考えています。

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