そして、3つめの兆しは為替市場です。前回のレポートでも「円高への下振れに注意」と述べました。

 先週のドル/円はおおむね105円台での推移が続き、時折106円台にタッチするという展開でしたが、まだコアレンジである106~108円台への本格的な回復には至っていません。

 106円台への接近もしくはさらなる円安となれば、日経平均の上値余地は2万3,000円台ぐらいまで増えそうですが、実は、週足チャートで長期のドル/円の推移を見ると、105円割れとなった場面で株価の下落が重なることが多いことが分かります(下の図3)。

■(図3)日経平均と米ドル/日本円のチャート(週足)(2020年8月7日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 最近の日経平均は為替の動きの影響を受けやすくなっていますが、今回も105円の水準が節目として強く意識されている可能性があります。実際に、NYダウ平均株価やNASDAQなど米国株が上昇しても日経平均がついていけないという場面が増えています。