8月は経済的、軍事的事件が発生しがち

 むしろ、8月に留意すべき点は、8月にはマーケットへの影響が大きい経済的、軍事的事件が発生することがあることです(下記参照)。これらの事件は円高を引き起こす事件が多く、お盆休みや夏休みなどでマーケット参加者が少ないことから値動きが荒くなりやすく、注意する必要があります。

 そして今年は、11月の米大統領選を控えている中、米中対立が新冷戦の様相となったことや、7月に入ってトランプ米政権の対中強硬姿勢が鮮明になってきていることから、南シナ海や台湾海峡での米国の動きには一層警戒する必要がありそうです。

8月に発生した経済的、軍事的大事件

日時 起こった出来事
1971年8月15日 ニクソン・ショック。金・ドル交換停止、10%の輸入課徴金
1990年8月2日 イラク軍がクウェートに侵攻
2007年8月9日 パリバ・ショック
2008年8月7日 北京オリンピック開催中にグルジア軍と南オセチア軍が軍事衝突。翌8日にロシアが軍事介入→欧州経済悪化も加わり、ユーロ/円が8円の円高
2011年8月8日 米国債務問題から米国債が格下げされ(5日)、週明け8日に世界同時株安
2015年8月24日 中国景況感の悪化から上海株が急落し、世界同時株安に。上海株が一時8%近く急落した日は、ドル/円の値幅が6円近くの荒れ相場に
2019年8月5日 米中貿易戦争激化の中、人民元安と米国の中国「為替操作国」指定で円高に。NYダウ平均株価は、一時960ドルを超える下げ。人民元は11年ぶりの1ドル=7元超え、為替操作国指定は25年ぶり