4-6月の中国GDPは前年比プラス、予想以上に早い回復

 16日に中国が発表した4-6月のGDP(国内総生産)は前年比+3.2%で、市場予想よりも早い回復となりました。1-3月はコロナ危機の影響で、前年比▲6.8%のマイナスと、過去最大の落ち込みとなりました。回復が見込まれていた4-6月でしたが、プラスになるのは難しいと考えられていました。発表された実績は、予想以上の急回復でした。

中国GDP成長率(前年比):2007年1-3月期~2020年4-6月期

出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成

 中国GDPは、統計データとして信頼に欠けるところはありますが、それでも、経済が立ち直りつつあることには違いありません。以下のグラフで分かる通り、中国は、最初にコロナ感染が急拡大し、最初に感染抑え込みに成功した国です。強大な国家権力を駆使して、感染封じ込めを成功させた成果で、経済回復期待が高まっています。

中国の新型コロナ推定患者数(7日移動平均)

出所:Bing-COVID19-Dataより楽天証券経済研究所:吉田が作成
患者数は、感染者数―回復者―死亡者で計算

 下のグラフで分かる通り、中国では、製造業・非製造業(サービス業)とも、急速に景況感が改善し、5-6月には、景況の分かれ目50を超えて、好調です。

中国、財新マークイット、製造業・非製造業PMI(景況感指数):2019年6月~20年6月

出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成