上昇が加速していた上海総合指数が、米中対立激化で反落

 中国景気の回復期待を反映して、上海総合指数は6月後半から、上昇ピッチが加速していました。ところが、先週は、米中対立の激化を受け、上海総合指数は、急反落しました。

米ナスダック総合指数・上海総合指数・日経平均・NYダウの動き比較:2019年末~20年7月17日

注:2019年末の値を100として指数化

 世界のITインフラを支配するGAFAM(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル・マイクロソフト)などの構成比が高い、米ナスダック総合指数が強いのは、変わりません。ただし、同様に強い動きを見せていた上海総合指数は、先週、急反落しました。

 中国が香港自治を形骸化させつつあること、また、海洋進出を強化しつつあることに対し、米国が中国制裁を強化する動きに出ていることが響いています。先週は、英国も香港情勢への憂慮などから米国に同調し、中国ファーウェイ排除の方針を決めました。

 中国と領土問題をかかえるインドも、中国との対決色を深めています。対外積極策に出つつある中国は、近隣諸国との関係悪化で、孤立する懸念も出ています。

 したがって、たとえ中国経済が再開されても、輸出は拡大せず、あくまでも中国の内需主導の回復になると考えられます。