今回の格言

「最良の預言者は過去なり」

どんな格言?

相場を読むには歴史から

 「過去は最良の預言者なり」と言い換えることもできます。相場の先行きや未来を予測する方法として、過去の出来事や経験から学ぶことの意義を説いたものです。

 過去の事象と相場の動きや関係性を見ることで、ある程度の教訓として相場の先読みに活用できます。

 例えば、2008年秋の「リーマンショック」(金融危機)で世界経済が景気後退に陥った局面では、景気後退のただ中(2009年3月)で米国株が底入れして復調がスタートしました。中央銀行が大胆な金融緩和を実施し各国政府が大規模な財政出動を実施したからです。2020年2月からの「コロナ危機」で世界株式は急落しましたが、当局と政府が未曽有の資金供給を実施したことで、株式相場は3月に底入れしました。こうした場面は、2009年に経験したような過去の「流動性相場」(不況下の株高)を知っていれば、今年もその繰り返しにもみえます。

格言の由来は?

 もともとは、18世紀の英国の詩人ジョージ・ゴードン・バイロン氏(1788~1824年)が残した格言に由来している相場格言と言われています。

 「過去から学ぶ」ことは、投資の世界にも当てはまりますが、知っていながら実践するのはなかなか難しいことです。

 著名な米投資家ウォーレン・バフェット氏は、「我々が歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ」と指摘したことがあります。

 今一度この言葉を見つめなおし、同様の場面で相場がどのように動いたかを参考にしたいと思います。