その5、「インデックス運用」と「パッシブ運用」

 インデックス運用とはインデックスのポートフォリオのリターンを再現しようとする運用であり、パッシブ運用とは、ベンチマークとして与えられたポートフォリオのリターンを再現しようとする運用のことだ。両者は、ベンチマークとなるポートフォリオが、何らかのインデックスのポートフォリオである場合に一致するが、これまでの説明でお分かりいただけるように、常に一致する訳ではない。

 例えば、TOPIXをベンチマークだと考えて、国内株式のリスク・リターンを分析して、アセット・アロケーションを組んだ年金基金が、JPX日経400のインデックス運用を運用会社に委託するとすれば、これは基金としてはパッシブ運用ではなくてアクティブ運用だと考えるべきだが、運用の手法はインデックス運用である。

 なお、パッシブ運用かアクティブ運用かの違いは、ベンチマークと異なるリスクを取るか否かが本質的であって、運用期間中に人間の判断が介在するか否かが問題なのではない。

 運用方法が事前にルール化されていて運用途中に変更されない、いわゆる「システム運用」(「フォーミュラ・プラン」という呼び名もある)は、ベンチマークと異なるリスクを取るのであれば、パッシブ運用ではなく、アクティブ運用だ。

 細かい話だが、「パッシブ(運用)」、「インデックス(運用)」、加えて「システム運用」の意味の違いを正確に理解しておきたい。