売買代金ランキング(5銘柄)
1 アンジェス(4563・東証マザーズ)
4月の超絶モメンタムを連休明けも受け継ぎ、8日に年初来高値になる2,455円を付けました。今のところ、ここがピーク。大阪大学と進める新型コロナウイルス向けワクチンへの期待を、これでもかと織り込む展開が続いています。タカラバイオ、ダイセル、フューチャー、新日本科学など上場企業も相次いでプロジェクトに参画。さらには21日、ガラス最大手のAGCまで加わることになり、純国産(というか、吉村大阪知事的にいえば「オール大阪」)ワクチンへの期待感は高まる一方で…。
月下旬も人気は再燃。25日に、開発中のワクチン投与で抗体ができることを動物実験で確認したと発表。また、26日付の一部メディアで治験の7月開始報道も好材料視されました。前月記載した内容と同じですが、米ギリアドの「レムデシビル」などと違い、治験結果の成否に気を揉むような段階ではありません(=治験失敗による急落リスクが今は無い)。まだワクチン成功までの道のりは長い(治験開始ですら7月)…これがこの株が急落を回避できている最大の理由な気がします。
2 ワークマン(7564・ジャスダック)
昨年は成長性の高さで大化けしたワークマンですが、足元ではコロナ禍で発揮した業績ディフェンシブ性が注目されました。外出自粛で、小売各社が大苦戦した4月の既存店売上高は前年同月比5.7%増でした。伸び率は鈍化したもの、ワークマンも緊急事態宣言後は、一部店舗の営業時間短縮、臨時休業を実施したとのこと。それでこの数字は凄いの一言ですね。コロナ禍でも、感染症予防で手袋や不織布用品などが売れたようです。
なお、7日に前2020年3月期の決算を発表しています。売上高は前期比38%増、営業利益は同42%増の大幅増収増益で着地。今2021年3月期予想については“非開示”でした。
3 メルカリ(4385・東証マザーズ)
マザーズの時価総額トップ銘柄。歴代最強クラスといえるマザーズ株ラリーに当然乗り、株価は2019年8月以来となる3,000円台に乗せました(2018年6月IPO時の公開価格が3,000円で、初値が5,000円でしたが)。ステイホームで、フリマアプリ「メルカリ」の取引が活発化するのでは? との期待感から、新型コロナ業績ポジティブ銘柄と認識されています。在宅時間が伸びると、不用品整理で「メルカリ」を使う人は増えるでしょうしね。
4月末に2020年6月期の業績予想を開示。これを受けて、5月は国内大手証券によるポジティブレポートも相次ぎました。新型コロナの影響でコスト意識が高まっている点、「メルカリ」の流通総額が2020年1-3月期に前四半期比で伸びが加速している点などを評価しているようです(ポジショントークでしょうが)。
4 Aiming(3911・東証マザーズ)
赤字のソシャゲ(スマホゲーム)株が、新作ゲーム期待のプレポジション(先回り買い)で大相場になることはよくあります。まさに同社はそれ。
スクウェア・エニックスが7日、2020年配信予定のスマホゲーム「ドラゴンクエストタクト」の事前登録開始日を6月10日に決定したと発表。スクエニと共同開発するのが、赤字のソシャゲ株である同社です。
ヒットする確率の高いドラクエシリーズの最新スマホゲームということで、それを先回る気の早い短気の短期勢の買いで、ソシャゲ株はゲームのリリース前が一番上がる…これ新興市場のあるあるですね。
5 メドピア(6095・東証マザーズ)
5月は決算発表シーズン。超絶好地合いだったこともあり、発表した決算内容を平常時より好意的に受け止める雰囲気がありました。その中でも、決算後の値動きで月間MVPと断定できるのが同社でしょう。13日に発表した上期決算は、売上高が前年同期比50%増、営業利益が同47%増。主力のプラットフォーム事業が好調だったほか、オンライン診療サービスの利用件数も増加。コロナ禍にあって、医師の利用が活性化し、成長に弾みが付いたようです。
決算発表翌日から2日続けてストップ高、利益確定売りをこなしながら大陽線を連発した値動きは圧巻でした。ただ、25日に上場来高値を3,000円台に更新した翌日、26日に急落。きっかけは25日引け後、5%ルール報告で、同社社長の石見氏が持ち株の一部を売却(義務発生日は19日と20日)していたことが判明したため。好決算で最高値をとったタイミングだっただけに、印象が悪かったようです。