反発局面で、日本株を買っているのは誰か?

 それでは続いて、3月23日以降の反発局面での日本株の主体別売買動向を見てみます。外国人は一貫して売り越し、国内投資家が買っているわけですが、個人投資家はほとんど買っていません。大きく買い越しているのは、日銀だけの可能性もあります。

急反発局面での投資主体別売買動向:2020年3月23日~5月9日

出所:東京証券取引所「主体別売買動向(売買差額)2市場1・2部」より作成、日本銀行の買越額の出所は、日本銀行

 信託銀行も買い越しています。ただし、あくまでも推定ですが、これは主に日銀の買いである可能性もあります(日銀がどこを通じて買いを出しているか、買い方を開示していないので分かりません)。信託銀行経由で売買する年金基金は、上昇局面で買うことは少ないから、これだけのボリュームでの買いは、日銀の可能性があります。

 もし、信託銀行の買いが、日銀の買いによるものだとすると、この反発局面は、日銀のほぼ一手買いだったことになります。

 今後の日本株の売買に影響が大きいのは、外国人と日本銀行と考えられます。今後とも、外国人と日本銀行の売買動向をしっかり見ていく必要があります。

日本株の投資判断

 私は、日本株は買収価値や配当利回りから見て割安で、長期的に良い買い場を迎えていると判断しています。コロナ・ショックによる恐怖が収束するまで、日本株は乱高下を繰り返すと思いますが、時間分散しながら、買っていくことが長期的な資産形成に寄与すると思います。

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