暴落局面では個人や日銀が買ったが、反発局面はほぼ日銀の一手買い

 それでは、誰が売り、誰が買ったか、国内投資家も含めて、もう少し詳しく見てみましょう。以下では、株式現物の売買動向だけを見ます。

急落局面での投資主体別売買動向:2020年2月25日~3月19日

出所:東京証券取引所「主体別売買動向(売買差額)2市場1・2部」より作成、日本銀行の買越額は、出所、日本銀行。日銀は日本株ETFを購入しているが、株式を直接買い付けてはいない。日銀が購入するETFを組成するための日本株買いが証券自己や信託銀行などから出る

 つまり、日経平均を暴落させたのは、外国人投資家です。外国人の売りは、ここに出ているだけではありません。前で見ていただいた通り、日経平均先物も1兆3,231億円、売り越しています。

 一方、国内投資家は、この暴落局面で大量に買い越しています。最大の買い手は、個人投資家で、1兆2,850億円買い越しています。日本銀行も、1兆2,272億円買っています。

 事業法人は、「自社株買い」で、近年安定的な買い越し主体となっていますが、この暴落局面で5,922億円買っています。

 信託銀行(信託勘定)も買い越しています。信託勘定を通じて売買しているのは、年金基金や日本銀行です。この暴落局面では、公的年金などが買いを出したと推定しています。

 このように、コロナ・ショックの暴落局面では、外国人が売る中、国内からさまざまな投資主体の買いが出ていました。