二者は敵対するものではない。個人の投資選択肢の多様性が重要

 インデックス投資とアクティブ投資、あなたはどちらが好みでしょうか。これらはどちらが正しい、と決めつけるものではなく、最終的にはあなた自身の投資スタンスによって決断すべきです。

 もし、判断がつかないという人はまずはインデックス投資で「投資を始める」ことが大切です。また、投資に「たくさんの労力をかけたくない」というのなら、インデックスベースにしていけばいいでしょう。投資の負担は大きく軽減されます。

 アクティブ投資を私はやりたい、という人はアクティブ運用を行えばいいのです。ただし、自分が投資を行う投資信託の運用方針を理解し、納得し、賛同できることが大事です。過去のパフォーマンスがいいから未来もいいだろう、というくらいの考えでアクティブ運用を選ぶことはおすすめできません。

 また、アクティブ投資の運用状況について適宜評価をすることも必要です。インデックス投資でも必要ですが、それ以上に「選択したファンドの巧拙(こうせつ)」を見る必要が加わるからです。

 間違いと思うのは「初心者はインデックス、上級者はアクティブ」と大別するような短絡的アプローチです。上級者になったとき、ずっとインデックス投資を続けてもいいですし、少額で初心者がアクティブ運用をすることもあっていいでしょう。

 インデックスとアクティブは対立軸のように語られがちです。しかし、相手をおとしめることで自らの優位性を高めるような論争は有益ではありません。むしろ自らの不得意な部分を互いが認め合うことで、おのずとすみ分けができるのではないでしょうか。

 また、双方を組み合わせて投資をしてもかまいません。「インデックス投資を8割くらい+アクティブ投資を2割くらい」というのは一時期の企業年金運用では流行していました。個人にとってもインデックスとアクティブは択一ではないですから、両方を保有する選択肢はあってもいいのです。

 新型コロナウイルスの影響は大きく、今は難しい社会情勢にあります。投資もまた難しい局面に立たされています。こういうマーケットの状況であるからこそ、「インデックス投資をするか」「アクティブ投資をするか」、少し自問自答してみてはいかがでしょうか。

 今インデックス投資とアクティブ投資について考えておくことは、経済がしっかり回復基調になったとき、あなたの投資スタイルをしっかり地に足のついたものとしてくれるでしょう。