インデックス投資と異なるアプローチで資産運用に挑むアクティブ投資

 インデックスについて誤解しがちなのは、これは「ベスト」の運用選択肢ではないということです。仮にベストがあるとすれば、それは値上がり上昇余地のある銘柄のみを的確なタイミングで的確に選定し、値上がり余地のなくなった銘柄を的確なタイミングで的確に売却したポートフォリオであるからです。

 しかし、そのような運用は現実的には困難であり、プレーン味のシリアルを選ぶようなところがインデックスにあります。ベターな選択肢であることは間違いありません。

 インデックス運用は、その投資対象に新たに上場した「新興企業」をキャッチアップすることができます。インデックスにその銘柄が追加されるからです。これはこれでとてもいいことです。

 しかし、時代の役割を終えた「老害企業」を除外することはあまり得意ではありません。上場廃止にならない限りインデックスには残り続けるからです。

「修正インデックス」というとおかしな表現ですが、インデックスにちょっと加工をすることで、インデックスをアウトパフォーム(相対的に高い利回りを確保)するチャンスが出てきます。いくつかの人気アクティブファンドは、それぞれのアイデアに基づき、運用に取り組みます。アクティブ運用のアプローチです。

 アクティブファンドは、どのようなアプローチによりインデックスを上回ろうとしているのかに着目する必要があります。少なくとも、ファンドマネージャーの格好いい写真を判断材料としてはいけません。運用の「哲学」を確認して、選択することです。

 とにかくより稼ぐことを目的とするもの、若い企業の成長をサポートすることで利回り獲得を目指すもの、ESG(社会的責任投資)を志向するものなど、テーマはそれぞれですから、その考え方を納得でき、託せるファンドを見極める能力は必要になります。

 一方で、インデックスに勝ち続けるアクティブファンドがあるのか、という難しい問題もあり、あなたの期待に添わないファンドについては手を引く判断をしなければいけない、という難しさも加わります。

 また「普通の人間である私たちが、勝ち組となるアクティブファンドを見極めることができるのか」というのは永遠の悩みです。

 当事者は自身のファンドを否定しないどころか、自信に満ちた資料の表現でPRするのは当然のことです(自分で信じない投資方針に誰が託すだろうか!)。それだけに彼らのいうこと「以外」のところであなたは選別眼を養う必要があるわけです。

 また、アクティブ運用の性格上、見立てと異なるマーケットになったときにはインデックスを大きく下回る(インデックスがマイナスだったらさらに下)という可能性は常にあります。そのとき「投資方針を中長期的に指示して持ち続ける」のか「運用方針は時局に適合しなかったとみて手放す」のかはあなた次第です。

 アクティブファンドについてはそうした目利きができない人は、手を出さないというのも投資家としての責任です。