日本人3,000万人が投資をする時代に欠かせないインデックス投資

 市場の平均利回りを手軽に手に入れる投資手法がインデックス投資(パッシブ投資)です。仮にTOPIX(東証株価指数)に連動するインデックスファンドを購入すれば、銘柄選択や売買タイミングなどを考慮せずともTOPIXと同等の運用成績を簡単に手に入れることができます。

 インデックス型の投資信託やETF(上場投資信託)はそれぞれの運用の指標となるベンチマーク(これをインデックスとする)を持ちます。

 例えば「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」に投資をすれば、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)、つまり日本を含む全世界の株式を投資対象とするインデックスで同様の運用をすることとなり、個人が手軽に国際分散投資で運用を行うことになります。

 個人の資産運用において「銘柄選択」と選んだ銘柄の適切な「売買タイミング」を検討するのは大きなハードルです。仕事やプライベートを犠牲にしなければ行えないなら、銘柄選択や売買タイミングの検討そのものを省力化したいものです。しかしETFや投資信託によりそうした負担を軽減することができます。

 そしてインデックス運用は少額から手軽に分散投資が始められるという点も魅力です。たとえば東証1部上場企業を全銘柄買うことは個人にとって不可能ですが、インデックスファンドを数千円購入するだけで、インデックスと同等の投資効果が生じます。先のファンドの例なら、AppleやMicrosoft、GoogleやFacebookに2%くらいずつあなたのお金を投資することができるのです。

 運用手法としてはシンプルなので、投資コストも下がるという魅力もあります。特につみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の普及に伴い運用コストの引き下げ競争が進んだことは個人にとっては朗報です。2000年の頃と比べれば、運用コストは80%くらい下げられているほどです。

 運用の評価もシンプルです。何せインデックスと同等の成績を収めるかどうかを見るだけで済みますし、運用スタイルそのものがシンプルなので、基本的にはインデックスから大外れすることはありません。

 日本人の多くが投資を行う時代がやってくるとしたら、そのときにまず必要になるのはインデックス投資です。確定拠出年金ではすでに900万以上の口座がありますが(企業型とiDeCo[イデコ:個人型確定拠出年金]の合計)、その運用の中核はインデックス投資となっています。

 これから3,000万人以上が投資をする時代がやってきます。そのとき、インデックス運用がその中核となることは間違いないでしょう。