悲観的なシナリオは?

 この見通しでもリーマン・ショック以上のショックですが、WEOではより悲観的なシナリオの場合の試算もしています。

▼IMFによる世界経済の実質GDP(2019年比)の試算(リスクシナリオ)

(出所)IMF「World Economic Outlook」(April 2020)をもとに筆者作成。

 グラフの赤い線は2020年の前半で感染が収束せず長期化した場合の試算、青い線は2021年に再流行した場合の試算、紫の線はそのふたつの合わせ技、つまり、感染流行が2020年で収まらず、2021年になっても続く場合の試算です。

 2020年の感染が長期化した場合(赤い線)、世界経済は2024年になっても、2019年よりも1%程度縮小したまま、最も悲観的なシナリオの場合(紫の線)では、4%以上縮小したままということになります。