そして、最後の三つ目は米NASDAQ市場の強さです。

■(図4)米NASDAQ(日足)とギャン・アングル(2020年5月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 米NASDAQ指数は、先週末8日(金)の取引終了時点で年初来プラスに転じています。ギャン・アングルでも8×1ラインを抜けきっています。

 その強さの背景にあるのは米巨大IT企業銘柄への買いです。アルファベット(グーグル)やアマゾン、フェイスブック、アップルといった「GAFA」にマイクロソフトを加えた米企業5社の時価総額が東証1部全体を上回ったという記事も出てきています。

 米NASDAQの強さは、コロナウイルスの影響により苦労している業種や企業が圧倒的に多い中、ごくわずかの勝ち組企業に資金が集中している状況を表しているだけです。実際に、米NYダウ平均株価やS&P500はNASDAQと比べるとかなり出遅れています。

 直近の株式市場が堅調な一方で、市場の動きと現実の動き、政治と思惑、資金の一極集中など、至る所に「ギャップ」や「ゆがみ」が生じており、堅調な相場地合いの裏に大きな混乱が起こる火種がくすぶっていることを意識しておく必要がありそうです。