日経平均、上値は重たいものの株価復活の動き

 先週末4月10日(金)の日経平均株価終値は1万9,498円でした。前週末終値(1万7,820円)からは1,678円高となり、前週分の下げ幅(1,569円)を取り戻した格好です。

 先週は国内で緊急事態宣言が出された他、欧米の感染者増加に頭打ち感が出てきたこと、さらに感染拡大の震源地となった中国の武漢市でも2カ月半ぶりに封鎖措置が部分的に解除されるなど、状況の悪化がひとまず一服し、株式市場の「底打ち感」ムードが高まった格好です。

 さらに、一部では「コロナ収束後」を見据える声も聞こえてきました。まだ気が早いとは思いますが、少なくともアフター・コロナ相場を探りに行くような兆しが出てきた以上、ある程度の準備というか、心構えをしておく必要があるのかもしれません。

 いずれにせよ、まずは足元の状況から確認していきます。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2020年4月10日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週の日経平均ですが、週初の1万7,000円台後半から1万9,000円台半ばまで株価水準を一段切り上げる格好となりました。

 ローソク足の足取りをたどってみても、ほぼ順調に値を戻していた他、それぞれの形も下ヒゲが比較的長いものが多くなっています。下ヒゲの長さは売りに押されながらも買いが盛り返す動きを示しているため、株価の戻り局面ではポジティブな印象を与えます。さらに、5日移動平均線と25日移動平均線の「ゴールデン・クロス」も出現しています。

 その一方で、先週の高値(1万9,500円)が直近高値(3月25日の1万9,564円)に届いていない他、オプション&mini先物取引のSQ日だった10日(金)のSQ値(1万9,577円)にも届かず、いわゆる「幻のSQ」となっています。75日と200日の別の移動平均線では「デッド・クロス」となっています。

 つまり、日足チャートの形は株価復活の動きと同時に、上値の重たさも感じられるという状況です。とはいえ、基本的なスタンスは目先の底打ちから上方向を試していると見て良いと思われます。