日経VIが40を超えるのは稀、リーマン・ショックでは92まで上昇

日経VIが、長期でどう推移してきたか、2007年以来のデータを見てみましょう。

日経平均と日経VI、月次推移:2007年1月~20年4月(3日)

出所:日経QUICKより楽天証券経済研究所が作成 (c)日本経済新聞社

 上のグラフをご覧いただくと分かる通り、日経VIは、通常20くらいで推移していますが、日経平均が急落すると上昇します。ただし、40を超えることはめったに無いことが分かります。
40を超えたのは、2008年のリーマン・ショック時と、今回のコロナ・ショックだけです。リーマン・ショックでは、一時92まで上昇しています。世界不況と金融危機が同時に起こったことから、恐怖心が今以上に強くなりました。

 コロナ・ショックも長期化すると、リーマン・ショックと同じになるリスクがあります。ただし、私は、そうはならないと考えています。「世界各国が何でもありの経済対策を出してきていること」「治癒薬・ワクチンの開発が進みつつあること」「中国が感染押さえ込みに成功したと考えられること」などを考えると、リーマン・ショックよりは早期に株式市場の恐怖は収束すると、予想しています。

 もし私の予想が正しいならば、コロナ・ショックで58.5まで急騰した日経VIは、今後徐々に低下していくことになります。日経VIが低下していくタイミングが、日本株「押し目買い」の好機となります。

 ただ、日経VIがこのまま低下していくか、現時点で確信が持てません。日経平均が二番底をつけるリスクが残っているからです。短期的な下値リスクは払拭できませんが、それでも日本株は長期的に良い買い場を迎えていると、私は判断しています。

 ここからは、少しずつ時間分散しながら、日本株を買っていくことが、長期の資産形成に寄与すると考えています。大型の高配当株から買っていくべきと考えています。

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