「事象」「不安」「対応」の視点で捉えることが必要

 最後に、前回も紹介しましたが、足元の相場は「事象」「不安」「対応」の視点で捉える必要があります。新型コロナウイルスの感染拡大や原油安などの現在発生している「事象」に対して、景気減速や企業業績の悪化、信用リスクといった「不安」が高まり、金融・財政政策などの「対応」がどこまで事象や不安にあらがえるかといった構図です。

 先週も国内外で様々な「対応」策が出てきましたが、株式市場の反応はイマイチで、不安を拭い去ることができませんでした。対応策はふたつに分けられ、一方は新型コロナウイルス対策、そしてもう一方は経済対策となりますが、新型コロナウイルス対策の強化はヒト・モノの動きを制限し、経済活動を抑制するものとなるため、金融・財政政策の効果と打ち消し合ってしまうからです。

 目先で株価が反発したとしても、「事象」「不安」「対応」の掛け合わせが好転したものでなければ、株式市場は簡単に下げてしまう状況がくすぶることになるため、注意が必要です。