コロナショックの暴落を、ブラックマンデー・同時多発テロ・リーマン・ショック・東日本大震災と比較

 私には25年の日本株ファンドマネージャー経験があります。私がファンドマネージャーになった1987年以降の危機発生時の暴落局面と、今回のコロナショックを比較しました。その結果、今回の暴落で、日経平均の下落スピードはブラックマンデー級、下落率の大きさはリーマン・ショックに迫るものであることが分かりました。

危機発生後の、日経平均の暴落局面を比較:危機発生から3カ月後まで

注:危機発生の1営業前の日経平均を100として指数化。コロナショックについて、株式市場での危機発生の起点は2020年1月14日とした。同時多発テロでは2001年9月10日、東日本大震災では2011年3月10日、ブラックマンデーでは1987年10月19日、リーマン・ショックでは2008年9月12日を、危機発生の起点(前営業日)とした。楽天証券経済研究所が作成

 先週の日経平均は、1週間で16%の急落でした。下落スピードの速さは、1987年のブラックマンデー級です。ブラックマンデーの急落で、日経平均はたった1日(1987年10月20日)で15%の急落となりました。1日と1週間の違いはありますが、コロナショックの急落も、ブラックマンデー級のスピードです。

 両者の共通点は、「先物主導の下げ」ということです。大量の先物売りが一気に出て、株式現物を売買する投資家がほとんど反応する間もないうちに、日経平均は急落しました。

 ただし、ブラックマンデーでの下落は、危機発生から安値までの下落率は18%に過ぎません。今回のコロナショックでは、高値からの下落率が既に28%に達していて、ブラックマンデーを超える暴落となっています。

 高値から安値までの下落率が大きいのは、2008年のリーマン・ショックです。ショック後の安値まで、日経平均は41%の暴落となっています。

 新型コロナショックの暴落は、リーマン・ショックと似ているところが多いと言えます。リーマンショック時と同様、世界同時に、需要消滅・生産停止が起こっているからです。景気悪化の瞬間風速は、リーマン・ショックと近似しています。したがって、株価の反応も、リーマン・ショックに近くなっています。

 それでは、今回も日経平均は41%安まで下げるのでしょうか。私は、そうは考えていません。日経平均は、3月13日の場中に、一時1万6,690円まで下がっています。危機発生前からの下落率は30.5%に達しています。それで、今回の暴落の値幅調整は、ほぼ終わったと私は予想しています。

 日柄調整がまだ十分でないので、反発に時間がかかると思いますが、日本株は買い場を迎えていると判断しています。その根拠について、明日のレポートで詳しく解説します。

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