アベノミクス開始後の日経平均急落局面を比較

 アベノミクス開始後、世界株安に巻き込まれて日経平均が急落した局面は、7回あります。 まず、アベノミクス前半、2013~2016年の日経平均をご覧ください。

2013~2016年の日経平均急落局面

急落が4回ありました。

【1】2013年5月:バーナンキ・ショック(日経平均下落率▲18%)
(注)日経平均下落率:日次終値ベース。直前高値から安値までの下落率。
【2】2014年1月:米金利上昇を嫌気(日経平均下落率▲15%)
【3】2014年10月:エボラ出血熱ショック(日経平均下落率▲11%)
【4】2015年7月―16年6月:複合ショック(チャイナショック&資源安ショック&ブレグジットショック)(日経平均下落率▲28%)

 次に、アベノミクス後半、2017~2020年の日経平均をご覧ください。

2017~2020年(3月13日まで)の日経平均急落局面

 

日経平均株価の動き:2017年初~2020年3月13日

現在進行中のコロナショックを含め、急落が3回あります。

【5】2018年2月:米金利上昇ショック(日経平均下落率▲15%)
【6】2018年10月-12月:世界景気悪化ショック(日経平均下落率▲21%)
【7】2020年1-2月:新型コロナウイルス・ショック(日経平均下落率:2月末時点で▲12%)

 以上が、アベノミクスが開始した2013年以降の、7回の日経平均急落局面です。今回のコロナショック暴落は、アベノミクス開始後には、無かった新しいパターンであることが分かります。
下落率(▲28%)だけ見ると、2015年-16年の複合ショック下落率(▲28%)と同じです。ただし、この時、日経平均は1年かけて28%下げました。資源安ショック、チャイナショック、ブレグジットショックが続いて、下落→反発→下落→反発を繰り返しながら、1年かけての下落でした。

 たった2カ月で28%下げたコロナショックとは、似て非なる下落と言えます。コロナショックと類似の暴落を探すには、もっと過去にさかのぼる必要があります。