運用を考えるための練習問題11
東証1部の過去半年の出来高上位200銘柄に等金額で投資するポートフォリオを運用のベンチマークにしようとしているとする。何が問題か?
解答例
入れ替わりが激しくてベンチマークとしての「再現性」に難があり、また、等金額ウェイトは小型株のウェイトが上がり、望ましいポートフォリオとしての「規範性」にも疑問がある。
練習問題12
「当社は、当社のアナリストが調査している600銘柄だけを株式ポートフォリオの運用対象とします」という運用会社についてどう考えるか。
解答例
600に限るのは自社の都合に過ぎず、分散投資の拡大、リターンの改善双方において、運用のチャンスの最大化を阻害している愚かな方針だ。
練習問題13
ある年金基金の資金の1割を運用している運用会社が、年金基金がアセット・アロケーションに使用しているのと同じリスク拒否度を使って、ポートフォリオの最適化計算を行おうとしている。これは正しい方針か?
解答例
運用会社間でリスク分散が働くので、個々の運用会社に適用されるリスク拒否度は基金全体よりも小さくていい。
練習問題14
「株価に一喜一憂しないために、ポートフォリオを見るのは1年に一度としている」という個人投資家に、何をアドバイスしたらいいか。
解答例
「現実を直視してください! それに、ちょうど良く1年に一度、投資環境が変化するわけではありませんよ」
練習問題15
ファンドが取るべきリスクの大きさは、スポンサーが考えるリスク拒否度と、運用会社が目標とするインフォメーション・レシオ(アクティブ・リターンのアクティブ・リスクに対する比率)とで決めることができる、という考えは正しいか。
解答例
正しくない。運用者が「目標としている」ことと、実際にそれが可能であることとの間には大きな隔たりがある。