売買代金ランキング(5銘柄)

1 ワークマン(7564・ジャスダック)

 2月の月間騰落率▲25.5%は、リーマンショック前2008年1月の同▲26.6%に次ぐ、1997年9月の上場来で2番目の下落率でした。昨年12月17日に付けた上場来高値1万570円からの下落率は、2月末時点で42%に及んでいます。

 前年の上げ過ぎの反動が1月から続いているわけですが、「業績絶好調」であること自体に変化はありません。4日引け後には通期予想の上方修正を発表しています。だからこそ、下落場面で押し目買いが随時入るのが特徴。信用買い残も過去最高水準を保っており、これが2月のリスクオフ地合いで裏目に出たといえます。

2 メルカリ(4385・東証マザーズ)

 市場参加者からは「不思議な株だ」との声が聞かれたメルカリ株。マザーズの時価総額トップ銘柄ですが、マザーズ指数が急落した2月に強烈な逆行高したためです(なぜか逆相関)。

 4日に、NTTドコモとキャッシュレス決済などで業務提携すると発表。NTTドコモの「d払い」とメルカリの「メルペイ」で残高を相互利用することが可能になるそうです。競合激化するスマホ決済分野では負け組的評価があっただけに、加盟店の開拓や広告費用の軽減でメルカリのメリットが大きいと見られているようです。一部外資系証券でも「来期以降の業績本格回復への期待が高まる」と指摘。

3 中京医薬品(4558・ジャスダック)

 1月の新型肺炎防疫関連株バブルに乗った銘柄のひとつ(家庭用配置薬の需要が増えるんじゃないかの連想で)。ただ、1月に株価が6倍になるという異常現象が起きた反動は大きく、2月だけで株価は半分以下に…。

 2月に入ってすぐ急落しましたが、2月中旬までは新型肺炎の感染が広がる話題が出るとリバウンドする場面も。ただ、19日から東証が信用規制を強化すると出来高も減少。高値圏で買った投資家の売りを吸収するような買いは続かず、その後は新型肺炎が深刻化しても買われない単なる需給悪銘柄と化しています。

4 Aiming(3911・東証マザーズ)

 前期まで4期連続赤字のゲーム会社で、1月末時点の株価は288円の低位小型株。この銘柄が提供した材料が驚くべき急騰劇につながりました。きっかけとなった材料は、5日に発表したドラクエシリーズのスマホゲーム最新作「ドラゴンクエストタクト」のスクウェア・エニックスとの共同開発。ドラクエのモンスターたちを指揮して戦うタクティカルRPGで、2020年中のサービス開始を予定しているようです。

 昨年のコロプラ急騰劇を連想させるにも十分で、発表翌日から3日連続でストップ高買い気配。全株一致したのが発表4日目の12日で、この期間だけで最大2.5倍に! ただ、盛り上がったのはここまで。14日に本決算を発表、前期業績の未達と今期のコスト削減策、そして第1四半期の赤字見通しを示したことで株価も失速。唯一関心の高い「ドラゴンクエストタクト」についての進展をうかがえる情報も現時点では無く…。

5 フリー(4478・東証マザーズ)

 統合型のクラウド会計ソフトを主力とする12月IPO(株式の新規公開)銘柄。直近IPO株でもひと際強く、Sansanを抜いてマザーズの時価総額2位銘柄に浮上しました。今期も赤字見通しで、PSR(株価売上高倍率)は一時30倍を超えました。事業規模に対する時価総額のサイズ感は何とも表現しづらいのですが…。

 上昇が加速した週は確定申告が始まったタイミングでした。それで連想で上がったとは思えませんが、上場来高値を更新したことで需給も良くなりました。また、18日に中間決算説明会の「書き起こし」をホームページにアップ。アナリストから出た質問も全て記載されており、つまびらかな開示姿勢を好感した面もありそうです。