新型コロナウイルスの懸念は遠からず取り除かれる?

「新型コロナウイルス禍」が、いつになれば市場の懸念でなくなるのか、言うまでもなく投資家の最大の関心事です。すでに「急に終息しないだろう(=一定の時間が要る)」という認識はコンセンサスになっており、さらに「相当程度の世界景気下振れにつながる」も同様と思われます。

 新型コロナウイルスの発生地の中国・湖北省では日々の感染者が減少傾向を示しています。半面で、中国以外の国での感染は広がっており、むしろ懸念は拡大していると言えるでしょう。

 3月2日の記者会見で、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は「日本、韓国、イラン、イタリアの4カ国の状況について“深刻な懸念”がある」との認識を示しました。WHOのまとめで、この4カ国で(中国国外での)感染者数の8割を占めており、日本については2月下旬に国内での感染例が200人を超えたことを重くみた、とのことです。

 深刻な懸念のある国として日本も名指しされたのです。日本国内では異論もあると思いますが、外国人投資家はWHOの見解を支持し、それに基づく行動を取ることは確実です。

 大方の日本人はこのWHOの見解に違和感があるかもしれませんが、「異論」だけでは外国人投資家の行動を変化させることはできないのです。

 では、どういう時にこの懸念がなくなるかを考えてみましょう。

  • 治療薬・治療法の確立(オフィシャルなもの)
  • 主要国の金融緩和策・財政出動

 これが2大要因と考えます。

 また、その前段階として「中国での新規感染者急減」も必要となってくるでしょう。治療薬・治療法については、一部のインフルエンザ薬や抗HIV薬、さらにはぜんそく薬が効果をもたらしたとする情報もあります。

 他方、金融政策面ではすでに中国人民銀行は積極的な金融緩和にかじを切っていますし、日銀も3月1日に過去よりも大きな規模でのETF(上場投資信託)買い入れを行いました(金融緩和策と同様の効果を有する)。

 FRB(米連邦準備制度理事会)は米時間3月3日に臨時のFOMC(米連邦公開市場委員会)を開き、政策金利を0.5%引き下げています。ECB(欧州中央銀行)のラガルド総裁も必要とあれば行動するとしています。米時間3月2日のNY市場ではNYダウ平均株価が1,296ドル高(約5%)も上昇するサプライズもありました。

 そう遠くない時期に懸念は取り除かれていくと想定されます。