配当利回り投資の注意点

 もうひとつ、現実的にありうるネガティブ事象を挙げておきます。とくに「配当利回り」を重視した投資を行っている投資家に向けたものです。

 例年3月末は期末配当取りの動きが活発化する時期です。現在、総じて個別銘柄の株価が下落したことから「配当利回りが上昇した」ととらえることもできます。

 しかし、現状のように多くの企業で業績下方修正が確実視される中では、前提条件に変更があるかもしれないことを認識しておくべきでしょう。

 今手にしている『会社四季報』などに掲載されている予想配当利回りを前提として、これまでと同じように投資ができるのかどうかは未知数なのです。予定通りの配当を実施する企業はもちろんありますが、そうでなく減配・無配に転じる企業もあるからです。

 ここでは、今回の下落局面で、株価が1,000円以上(10万円で投資できない)から1,000円以下(10万円で投資可能)になった銘柄を参考として取り上げます。個別に下落する要因に乏しく、どちらかというと「つれ安」になった印象の強い銘柄です。