地方財政の悪化でインフラ建設事業が鈍化、利益見通し下方修正

現地コード 銘柄名
01186

中国鉄建

(チャイナ・レールウェイ・コンストラクション)

株価 情報種類

5.64HKD
(11/6現在)

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 中国ではインフラ投資を対象とする大規模緩和策が見られない中、建設請負業者らがプロジェクトの実行ペースをスローダウンさせている。新規受注の獲得や建設工事の進捗(しんちょく)は地方政府の支払い能力に依存するが、地方財政は現状厳しい。土地販売が低迷する中、インフラ投資を通じて地価を引き上げるという地方政府の従来の手法は、もはやほとんど機能しない状況にある。BOCIはこうした点を考慮し、中国の2大ゼネコンの一角を成す中国鉄建の売上高、純利益見通しをそれぞれ14%、14.7%減額修正。2024年予想PER(株価収益率)4倍をベースに目標株価を引き下げた。利益の縮小傾向は少なくとも2025年上期まで続くとの見方だ。ただ、政策支援とバリュエーション面の魅力から、香港株式市場における国有企業のアウトパフォームを予想。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 過去の景気サイクルにおいて、インフラ投資は金融緩和や政策支援の恩恵を真っ先に享受してきたが、今回は全く状況が異なる。現時点では、一部を除けばインフラ投資の強化に向けた政策支援の兆しは見られない。中央政府管轄のプロジェクトを後押しする政策が存在しない中、インフラ建設は地方政府頼みとなっているが、地方では土地販売の低迷が深刻。土地販売収入を地下鉄・道路建設などのインフラ投資に回すことで土地評価額を引き上げ、さらなる土地販売価格の上昇につなげるという従来の手法が機能していない。今もインフラ投資が可能なのは1線都市(4大都市)と一部の2線都市に限られている。

 地方政府による支払いの遅延は建設請負業者の新規受注や工事の進捗を停滞させ、受注額と売り上げ計上額(工期の進捗ベース)を減少させる。実際、2024年4-6月期と7-9月期には全ての建設請負銘柄の業績が予想以上に低調だった。BOCIは2025年まで業績低迷が続くとみている。

 今後焦点となるのは状況がいつ好転するかだが、BOCIは不動産業況の回復か、あるいはインフラ投資への政策支援が前提になるとの見方だ。仮に不動産業況が急回復すれば、地方財政も改善し、インフラ投資の再開が見込める。インフラ投資に対する政策支援も、やはり業況の改善につながる。

 BOCIは中国鉄建の2024年の予想売上高、純利益をそれぞれ14%、14.7%引き下げ、2025年に関しても14.8%、14.7%減額修正。2024年予想PER4倍(従来通り)を当てはめて目標株価を引き下げた。半面、足元の相場上昇局面では国有銘柄がアウトパフォームするとみて、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIはインフラ業界の下降サイクルが予想以上に長びく可能性を挙げている。