年金運用7つの掟

 年金基金の立場で弁(わきま)えておくべき原則を「7つの掟」の形で、提示してみよう。

掟その1:結果ではなくプロセスに責任を持つ

 年金運用の意思決定と行動は、あらかじめ合意されたプロセスに正しく従って行われなければならないし、また、プロセスが正しい場合、年金基金及びその個々の担当者は結果に直接責任を負わないのが大きな原則だ。

「結果が悪くても、言い訳が通ればいい」と言い切ると、反感を持つ読者がおられるかもしれないが、もともと運用の結果に絶対的な責任を持つことなど誰にもできないので、これでいいのだ。

「結果が悪かったら辞める」(あるいは「辞めろ」)などと粋がる人物が年金基金にも運用会社にも時々いるが、こうした無謀な(取り切れない責任を取ると言い張るのは「過剰」を超えて「無謀」だ)責任意識は、逆に「私はリスクを取り、責任を取るのだから、私の好きなようにやらせろ」といった暴走につながりかねない。

 年金運用は「みんなのお金の運用」なので、「みんな」が合意できる範囲の中で、粛々と行われなければならない。