ウォーレン・バフェットの3つの投資基準と2つの投資ルール
そのバークシャー・ハサウェイの直近2019年第4四半期時点での手元資金が1280億ドル(約14兆2千億円)になった。これは前期比で約14%増、期末時点では過去最高となっている。バフェットは期末に公表した「株主への手紙(年次書簡)」の中で次のように述べている。
3つの基準を満たす新しい企業の取得を常に目指しています。
最初に、彼らのオペレーションに必要な純有形資本に対して良いリターンを獲得していること。
第2に、有能で誠実な経営者によって運営されていること。
最後に、それらは合理的な価格で購入可能でなければなりません。
そのような企業があれば、できれば100%取得したいと思います。しかし、この3つの必要な属性を備えた大規模な買収を行う機会はまれです。それよりも、株式市場が気まぐれなおかげで、これらの基準を満たす公開会社を多量に、しかし非支配割合で購入する頻度のほうが高いのです。
バークシャー・ハサウェイの手元現金
バークシャーが保有する巨額のキャッシュに関して、大型の買収や自社株買いになぜ使わないのかといった声もあるが、前述した最新の「株主への手紙(年次書簡)」の中で、バフェットはそれを「資本の山」と呼び、「生産的な運用資産への再投資は永遠に私たちの最優先事項であり続ける」と述べた。
以下はバークシャーが決算発表資料において公開した2019年期末時点の投資ポートフォリオである。米国株市場が史上最高値圏にあることも背景に素晴らしいパフォーマンスをたたき出している。投資先企業は銀行や航空会社、またコカコーラといったバフェット好みのオールドエコノミーの大型株が多い中、とりわけ2016年から投資を始めたアップル株については、今やバークシャーが保有する全株式の時価総額に対する割合は約3割、市場価値は2倍以上に膨らんでいる。