株は単純!みんなが恐怖におののいているときに買い、陶酔状態の時に恐怖を覚えて売ればいい

 近年の株式市場は7年から10年に一度大暴落するという循環を繰り返している。今回、米国株は上げの12年目に突入し、順調に史上最高値圏を更新していた。が、その矢先、新たな脅威(新型コロナウィルス)によって世界の株式市場の足元が揺らぎ始めている。ここ数年、米国はいつリセッションに入るのか、それとも入らないのかという議論がなされており、そう遠くない将来、株式市場の暴落や長期的な買い場が到来するのではないかと言われてきていた。ところが、危機があれば中央銀行がなんとかしてくれる、乗り遅れるな(FOMO=Fear Of Missing Out/乗り遅れる恐怖)とばかりに、下げたところは全部買いという相場になっていた。

 株は暴落した時に買う長期運用の商品である。これを実践できているのはウォーレン・バフェットである。ウォーレン・バフェットは暴落する前に株を売り、暴落すると株を買うという逆張り投資家だ。これは、なかなかできることではない。人間の心理に素直に従って投資行動をすると、暴落する前に株を買い、暴落すると株を売らざるを得ないというバフェットと逆の行動になってしまうのである。

 バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイはリーマンショック前に現金比率を高めていた。現金ポジションの前回のピークは、金融危機直前の2007年末の433億ドルである。2008年にはリーマン危機の最中、ゴールドマンの株を安く手に入れて大儲けしたが、2008年末の現金ポジションは255億ドルに減っていた。

バークシャー・ハサウェイの現金ポジションとS&P500の推移