1.最近の米国株式市場

 2020年は、米中貿易戦争の影響の一巡による企業業績の改善が見込まれていましたが、新型肺炎の感染拡大が米国経済の先行きを見えづらくしています。

 感染拡大を食い止めるため実施されている中国国内の人・物資の移動の制限が、中国の製造活動等に悪影響を与え、中国の製品を輸入する米国企業にもその余波が伝わり、2020年1-3月期の業績発表時に数字になって表れてくるでしょう。

 電化製品や衣類を販売するリテール企業、中国の観光客に支えられていた高級ブランドなどへの打撃が予想されますが、中国にサプライチェーンがあるメーカーとして、アップル(AAPL)も業績への影響懸念を表明しています。直近では、イタリアや韓国でも新型肺炎の感染拡大が報道されており、これがさらに多くの国に広がった場合にどのような影響が企業業績に発生するのか、見極めようとする動きが当面続くとみられます。