日経平均は大きく上昇、下げた分を取り戻す

 2月相場入りとなった先週末7日(金)の日経平均は2万3,827円で取引を終え、前週末終値(2万3,205円)から大きく上昇しました。

 前回のレポートでは、下方向への意識が強いことを指摘していただけに、先週の上昇は少し意外感がありました。また、先週の上昇幅は先々週の下げ幅と同じ622円となっており、「下げた分をしっかり取り戻した」格好です。

 では、今週も先週の上昇の勢いをこのまま持続することができるのでしょうか? まずはいつもの通り、足元の状況から確認していきます。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2020年2月7日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて先週の日経平均の値動きを振り返ってみますと、週初3日(月)の取引は、「窓」空けで一段安となり、2万3,000円台割れでスタートしました。ちょうどこの日は休場が延長されていた上海株市場が再開された日で、上海総合指数が休場前の1月23日比で7.7%安と大きく下落した影響を受けた格好です。

 しかし、翌4日(火)からは連日で株価を戻していく展開に転じます。終値の前日比が4日(火)で112円高、5日(水)が234円高、6日(木)が554円高と、日を追うごとに勢いを増していき、25日と75日の両移動平均線を上抜けた他、節目の2万4,000円台まであと5円ほどにせまる場面もありました。

 さすがに週末の7日(金)はやや値を下げて終えたものの、新型肺炎に対する懸念後退をはじめ、中国が対米関税を引き下げたことや経済政策への期待、円安の進行などの好材料が相次いだことが株価を押し上げました。