日経平均は大きく下落、軟調なスタートが見込まれる

 1月末となった先週31日(金)の日経平均終値は2万3,205円でした。この日は前日比で227円高と反発したものの、前週末終値(2万3,827円)と比べると622円安となっており、週足ベースでは大きく下落しています。

 次第に感染状況が拡大していく新型肺炎ウイルスに対する不安が国内外の株式市場のムードを重たくしている格好ですが、この流れは今週も続きそうです。先週末の日経平均先物取引が大阪取引所で2万2,650円、CME(シカゴ)で2万2,695円とさらに下落していることからも軟調なスタートが見込まれます。

 その一方で、足元の株価急落を買いの好機と捉える見方もあるようです。確かに、ウイルスの感染拡大は永遠に続くものではなく、いずれは収束していくことになりますので、それを踏まえれば、「買いのチャンス」と考えてもおかしくはありませんが、「落ちてくるナイフはつかむな」という相場格言にもある通り、なかなか下げ止まらない展開も想定されますので、積極的に買っていくのは勇気が必要でもあります。

 それでは早速、日足チャートで足元の状況から確認していきます。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2020年1月31日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週の日経平均の値動きをローソク足で振り返ってみますと、週初の27日(月)に大きな「窓」空けが出現して株価水準が一段切り下がり、以降は週末まで75日移動平均線を挟んだもみ合いが続く展開となりました。

 その中でも目立っているのは30日(木)の大陰線です。この日は節目の2万3,000円台を下回っていますが、2万3,000円台割れを見せるのは1月8日(水)の取引時間以来になります。8日は75日移動平均線がサポートとして機能し、引けにかけて買い戻されて長い下ヒゲを形成しましたが、30日(木)の大陰線については、75日移動平均線から下放れしていく格好で2万3,000円台を下抜けていますので、同じ2万3,000円台割れでも今回はかなり下方向への意識が強いと見ることができます。

 また、翌31日(金)の取引では反発して2万3,000円台を回復していますが、上ヒゲが長くなっていることや、終値で75日移動平均線上をキープできていないため、あまり良い形とは言えません。