業績の回復が見込める銘柄は買い場。ただし状況を注視しながら

■(図3)日経平均(日足)と移動平均線乖離率(25日)(2020年1月31日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 そして、「足元の株安は買い」という捉え方についても考えてみます。こうした強気派の根拠になっているのは、2002年から2003年の8カ月のあいだに猛威を振るったSARS(重症急性呼吸器症候群)時の経験です。この期間の日経平均は1割ほどの下落にとどまり、上昇傾向に転じました。

 とはいえ、2002~2003年当時と現在とでは、中国の世界経済に与える存在感と影響度は格段に大きくなっていることには留意しておく必要があります。訪日中国人の数は2003年当時の約45万人から、2019年には950万人超と20倍以上に増加していますし、製造業などでもサプライチェーンに中国を組み入れている企業が多くあります。