NYダウの上昇トレンドは崩れていない

 また、直近で2万4,000円台から上放れするとすれば、新型肺炎不安の後退以外では、さらなる円安や米国株高が材料になりますので、米国株市場の動向もチェックしていきます。

■(図3)米NYダウ(日足)とRSI(2020年2月7日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週の米国株市場は、主要3指数(NYダウ平均株価・S&P500・NASDAQ総合)がそろって最高値を更新していますが、上の図3でNYダウの動きとRSI(相対力指数)の動きを見ると、「逆行現象」が出現したタイミングで、新型肺炎不安で株価が調整し、RSIが低下していることが分かります。

 株価上昇の勢いが低下していると見ることができますが、チャートを過去にさかのぼると、昨年の11月中旬に逆行現象が出現した後に株価が調整し、再び上昇基調を強めた場面があったため、NYダウの上昇トレンドはまだ崩れていないと見ることができます。

 今週の米国では予算教書(10日)が発表され、積極的な財政出動政策が示されるかが注目される他、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長による下院での議会証言(11日)などが予定されていますが、こうしたイベントが米国株市場のムードに変化を与えるかが焦点になりそうです。