東証一部上場、主要841社の業績動向

 3月期決算主要841社の純利益(前期比増減率)についてまとめた以下の表をご覧ください。

東証一部3月期決算主要841社の連結純利益(前期比):2016年3月期~2019年3月期(実績)、20年3月期(会社予想)・21年3月期(楽天証券予想)

出所:楽天証券経済研究所が作成。2020年3月期について、純利益の会社予想を発表していない野村HD、ソフトバンクG、リクルートHD、東京電力HDなどは市場予想を、三菱UFJ FGは会社目標を使った。市場予想は、1月21日時点の日経QUICKコンセンサス予想

 ここで注目していただきたいのは、業績モメンタム(勢い)です。企業が発表する業績予想の上方修正が優勢なとき、モメンタムは○、下方修正が優勢なときは×としています。

 2019年3月期の期初業績予想が出揃った2018年5月以降、業績モメンタムの悪化が続いています。2019年3月期は最終的に▲6.2%の減益となりました。今期(2020年3月期)に入っても、業績モメンタムは悪いままです。これから本格化する10~12月決算発表でも、まだ下方修正が優勢と予想しています。

 いつ、業績モメンタムは上向きに変わるのでしょうか? 私は、4月ころからと考えています。4月ごろから5G(第5世代移動体通信)・半導体の投資が世界的に盛り上がり、世界景気は底入れすると考えています。それに伴い、楽天証券では、2021年3月期の主要841社純利益は+8.7%の増益に転じると予想しています。

 来期の増益が見えてくるまで、今しばらく時間がかかります。当面は、日経平均は2万4,000円の値固めとなりそうです。足元の不振の再確認と、先行き回復期待の綱引きとなりそうです。

 

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