1月の日経平均は2万3,500~2万4,000円中心の値固めか

 年初、急落後すぐ急反発したことで、日本株には「下がったら買いたい」資金が多いことが再確認できました。10~12月の上昇局面で買い遅れた投資主体が押し目買いの機会をうかがっていると考えられます。日経平均週足チャ-トも、テクニカルに底堅い形となりました。

日経平均週足:2018年10月1日~2020年1月10日

出所:楽天証券経済研究所

  大荒れの年初1週間を週足チャートで見てみましょう。上のチャートをご覧いただくとわかる通り、「長い下ヒゲのついた長い陽線」となりました。これが出たことで、2万3,000円台前半は、目先売り込みにくい形となりました。

 私は、4月ころからの景気回復、年央にかけて日経平均が2万6,000円以上の上値をトライすると予想していますので、ここからは、下落局面では大型の割安株をしっかり買っていくべきと考えています。

 それでは、ここから一気に上値を追っていく展開になるでしょうか? 私は、時期尚早と考えています。足元の景気がまだ不振だからです。

 1月は、足元(2019年10~12月)の景気・企業業績が厳しいものだったことを再確認することになると考えられます。中国の景気悪化で、中国関連・設備投資関連株の業績が落ち込んでいます。また、自動車の世界販売が落ち込んでいる影響から自動車関連株の業績も不振です。それに加え、10~12月は、消費増税が日本の消費を下押ししました。

 10~12月の景気指標・企業業績が発表になる1~2月は、実態悪の確認によって、日経平均には下押し圧力がかかりやすいと考えていました。

 一方、1月には先行き(4月以降)の景気・企業業績の回復期待が出ると考えています。5Gや半導体の投資が世界的に盛り上がってくる兆しが増えそうです。米中対立が緩和すれば、中国の設備投資が回復する期待も出るでしょう。そこで、注目されるのが、米中「部分合意」の署名が今週にも実現するか否かです。対立緩和で先行きの回復期待が高まれば、日経平均がさらに上昇する要因となります。

 目先、日経平均は、2万3,500円から2万4,000円を中心とした値固めになると考えています。ただし、年央に上値トライを見込むので、押し目があれば日本株を積極的に買っていくべきと考えています。

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