過去の値幅から読み取るドル/円の傾向

 この表をじっと眺めていると、さまざまなことが読み取れます。

(1)この10年間で前年の終値と比べて、翌年が円高で終わった年は6回(赤字表示)
(2)この10年間で年間の変動幅が10円台以下になったのは6回(黄色表示)。変動率が10%以下になったのは4回(黄色表示)
(3)この3年間の、前年終値と比べた翌年の円安幅は1~2円台、平均で約2円、円高幅は9~5円台、平均で約8円と、円高に振れる値幅の方が大きい傾向

 このように特にこの数年間で見ると、ドル安・円高傾向が強いのですが、この期間はFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げしていた局面でした。利上げをしていたにもかかわらず円高が進みました。今年は利下げを3回したため、前半は円高が進行しましたが、利下げ休止宣言や政治リスクの後退から109円台に戻して終わろうとしています。来年もこの円高傾向が続くのでしょうか。

  ドル/円のレンジを予想するときに、よく5円刻みで予想します。15円レンジだと来年は100~115円、あるいは105~120円となりますが、120円はFRBの利上げが再開するか、米長期金利が3%を超えてくる局面でないと難しいかもしれません。115円でも同じことが言えそうです。

 では、10円レンジではどうでしょうか。この2年、10円以下のレンジで動いているため、同じような金融経済環境、すなわち、低成長、低物価、低金利が続くのであれば、来年も10円レンジで動く可能性はあります。

 10円レンジだと100~110円、あるいは105~115円となりますが、115円は上記と同じ考え方で難しいとすると、5円刻みを少しずらして102~112円、あるいは103~113円のレンジが現実的かもしれません。